3-1.演劇時評「実力とコネクション、演劇の。」
Which more important , Real Ability or Connection ?

演劇なめてんの?って言わずに、良ければ少し聞いてくれませんか?
宮澤一彦 2023.05.13
読者限定

最近、製作者仲間と「ポットキャスト」の配信を始めました。

ナシゴレンの『製作者たちの夜』と言います!よろしくお願い致します!!

ナシゴレンの『製作者たちの夜』と言います!よろしくお願い致します!!

そもそも昨年9月1日からTwitter上で音声配信が出来る『Spaces(スペース)』というサービスを利用して毎週平日22時ごろから2時間ほど、雑談から結構深い話まで音声配信をしているのですが、配信33回を経て、最高再生回数が1100回を超えたというある程度の結果を出せたということと、何より毎回製作者仲間と話すのがとても楽しくて軌道に乗り始めていると感じたので、そろそろこの配信を次のステージへ発展させたいという思いから、録音アーカイヴをポットキャストでも配信することにしました。

「ポットキャスト」と聞くとあまり馴染みがない方も多くいらっしゃるかも知れません。が、それは次回以降のTECH時評で改めて解説するとして、新劇の、しかもめったに日が当たらない若手製作者たちがポットキャストでラジオみたいなことを始めるなんて、いまだかつて誰もやったことのないことなのでは? と思い、もっとたくさんの方に聴いてもらうためにどうすればよいのか日々研究しております。

これがひいては今まで演劇を観たことも聴いたこともない方にアプローチすることにつながればと。若手新劇製作者たちがゆるいながらも楽しく雑談しているのを耳になんとなく流しておくだけで、ちょっとだけ楽しい気分が伝わって、ちょっとこの人に会ってみたいな〜とか、この人たちが薦めている(進めている)公演をぜひ観に行ってみたい!と思う人が出て来てくれれば!と願っております。

まあ、それとは別に、ただ毎週若手で楽しく話す時間って大切だと。みんな常にどこかに動き回っていて定期的に集まるなんて不可能ですし、誰かが聴いていてくれないと本当に単なる愚痴会で終わってしまう危険性もある。という自分達の楽しみ癒やしため、ということも大きいのですが、それはまた別の話。

ほうほうなるほど、そりゃなかなか面白い企画だね」と思ったらぜひともフォロー!

そして周りの皆さまにおすすめください!

ナシゴレン〈第七世代新劇製作者互助連合〉
@nashigoren_0207
さ〜てっ18日木曜日のナシゴレンは!?
◉22時00分頃 Op
◉22時30分頃トレンドピックアップ
◉23時00分頃新劇えこひいき!
#青年劇場 製作部・広瀬公乃先輩をお迎え!
『#老いらくの恋 #農の明日へ』や「#劇団製作者」についてたくさん語って頂きます!
お楽しみに〜
twitter.com/i/spaces/1MnGn…
Scheduled: 製作者たちの夜/新劇えこひいき!青年劇場『老いらくの恋ー農の明日へ』製作部・広瀬公乃先輩をお迎え! ナシゴレン〈第七世代新劇製作者互助連合〉’s Space · Where live audio conversation twitter.com
2023/05/12 16:43
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っと、のっけから宣伝になってしまい失礼いたしました。

「日々研究」と言ってもやることは単純で、とにかく他にどんなポットキャストの番組があるのか「演劇」と検索したりサムネイルを見て気になるものは片っ端から聴いて研究するのみです。

やはり目立つのはメジャーラジオ放送局で放送されている番組のコーナーだけを切りとってポットキャストでも配信しているものが大半です。私も一介のラジオヘヴィリスナーとして、番組のポットキャストに登録して聴いております。これはもう要するにラジオ録音の切り抜きなので、SNS発のポットキャスト配信者としてはあまり参考にならないのですが。

それでもラジオパーソナリティの話し方はかるく雑談をしているように見えて、いかに無駄が削ぎ落とされているのか、ラジオエンジニアたちがいかにノイズというものに厳格なのか。一切余計な音が存在しない洗練されたトークやBGMを楽しんでいると、自分も弱小ながら配信者の1人になって始めてわかる専門家の妙技が少しわかる気がします。当たり前のラジオ番組がいかに練られた技術によって支えられているのか。素晴らしいなあと感動するばかりです。

続いて多いのが俳優さんの個人配信。「〜の日常」みたいな感じで週に一度〜多い人は毎日更新されている方もいます。こちらはまた対照的に本当にスマホ一台ですべて完結しているであろうものが多く、技術的には全くのド素人。電話のような音質でプツプツ、パリパリ、ガサガサ。いろんなノイズが入り放題に入っています。でもファンにとってはこれが良いのだと思います。俳優さん本人が独りきりで配信をしていて綺麗に整えられていない。

小説家と編集者が出版した活字の小説と、癖のある肉筆のお手紙の違いのように、他でもない私に向けられているというか、見つけた私しか今このラジオを聴いている人はいないのではないか?と錯覚してしまうほど近しい感じがあります。話題も他愛ないことばかりだし、ほとんどが無駄で何を言いたいのか結局良く分からない。別に参考にもならないし勉強にもならない。その「なにもない感じ」が心地よいのだと思います。

なにも参考になるものがない分、注意して隅から隅まできっちり聴く必要がないし考え込む必要もない。何か別のことをやりながらただ少し耳に流しておくくらいの距離感がとても良くて、御多分に洩れず私も『俳優夫婦のぶっちゃけトーク』というポットキャストが好きになってしまいかなり聴き込んでおります。

そんななか「なにを馬鹿な!」「いや、うーん、でもやっぱりそうなのかな〜」「だとしたら本当にヒドいな」とずっと考え込んでしまうポットキャストに出会いました。今回はその内容についての話です。

前回に引き続き音声メディア配信にツッコミを入れる形式になってしまい目新しさに欠けますね。どうもすみません。前回よりもさらに自分にも刃が向けられているというか、多分「プロ」を目指している「セミプロ」の若者にこんなヒドいことを言わせてしまうなんて、どうなっちゃってるんだこの日本演劇界!という反省の弁でもあります。

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